透明アンサー
前のとは少し違います。
世の中勉強勉強、そればかりだが、俺はそんなのをいらないと思っている。
勉強なんて、俺の人生にとっては、ただの暇つぶしでしかないのだ。
暇つぶしで行っていた、学校の、隣の席の女子。
何度席替えをしていても、必ず隣にその女子がいた、ある日、その女が話しかけてきた。
「今日テストだよ、少し不安だな、君はどう?」
そう、聞いてきたのだ、俺は
「別に、テストなんて、暇つぶしだから、勉強も」
「そんな事ないよ、勉強をするために、学校にきて、君に出会えた」
俺はその言葉の意味がわからなかった。
*
「では、テストを始めます、その前に、教科書で復習をしていてください」
担任の先生がそう言った、別に復習などいらないだろう。
復習を終え、テストが始まった。
*
次の日の事、テストがかえってきた。
-まぁ良い方だろう。
俺は、かえってきた、再生紙の、三桁満点を見て、そう思った、すると
隣の女子が、また、話しかけてきた。
「シンタロー君、また100点なんだ、すごいなぁ」
「別に、君は?」
そう、俺が問いかけると、予想外の点数をかえしてきた。
「56点・・・・」
俺の、ほぼ半分じゃないか、すると、そいつが、笑った。
「私ってバカだからさ」
何で、笑うんだ?別に何も面白いこともないというのに・・・・
*
俺は、学校の屋上にいた、ここが一番落ちつく。
そうやって、外を眺めていると、赤のマフラーが首にかかった。
「それじゃあ、ほら、つまらないよ」
と、笑っている、君がいた。
どうしてだろう、君はいつも楽しそうだ・・・・
俺が、君のようになれるのは、ないだろうが、君のようになりたかった。
「お前には関係ないだろ」
そう言うと、君は笑ったんだ、その笑顔が俺は好きだったのかもしれない。
でも、君に、近寄るのが怖い、これ以上、近寄らないでくれ
近寄って欲しいのに、俺はそう、思っていた。
「地球なんて、どこにも見えないよ」
彼女はそう笑った
「あたり前」
俺は、そうやって、彼女に、触れた。
*
自宅のベットの上、朝、アラームが鳴りだした、それは俺に
「冷たい奴だな」
と、俺は、一人、そのアラームに語りかけた。
*
教室、俺はテストを読み返していた、そんな事をしていても、意味などないのに、全て解ってしまうから・・・・
「このまま、死んでも、誰かが代わりになってくれるから」
そう、一人呟くのもバカらしくなってきた、一日。
*
放課後の事、俺は、教室の前を通りかかった。
そこには、君がいた、でもいつも違った、悲しそうな顔で、泣いていたのだ。
いつも笑っているのに・・・
「何で?」
そう、思ったまま、俺は、教室の前にいた、でも、話しかけるゆうきが、なくて
そのまま、教室の前から、去ったのだ。
*
いつもの、つまらない一日、一つ足りないものがあった、隣の君がいなかった。
君が休むなんて、違和感があった。
どうあれ、明日にかえってくる、テストも、いつも通りの結果がかえってくるだろう。
すると、女子が泣きながら、教室に入ってきた、おかしいと思ったんだ。
君が休むなんて、女子たちは、花を抱えて、泣いていた。
そして、その花が、隣の席の君の席におかれたんだ・・・・
*
何で、君は死んでしまったのだろう、どれだけ考えてもわからなかった。
いつも笑っていたのに・・・・
君の髪の色・君の笑顔も、誰だかもう、覚えていない。
「窓の中、空いた席は、そこからどう映っていますか・・・?」
俺は一人、自分に問いかけた。
*
君の事は知っていると思っていた、でも何一つわかっていなかったんだ。
もしも、あの時、話しかけていたら・・・・
ずっと続いていたかもしれない日々。
鳴りだした、アラームを止めるたび、無い物だと気が付かされる。
教室で泣いていた、君が、心を消したいくらいに傷ついていたのに
俺は、何もわかっていなかった、何度も、その傷を笑顔で隠していたのに
俺は、気が付かなかったんだ・・・・
俺は、屋上にテストをもって、走って行った。
*
屋上、ここから、君は死んでしまったのか・・・・
そこには、折り鶴が一つあった、俺は、もっていた、テストを
折り鶴にすると、その折り鶴の隣においた。
ここから飛び降りた君の事、明日も・・・・
「僕は忘れないよ」
end